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No.6新着 1990年代 紙の売り上げが頂点に達し、雑誌が下り坂に入る

紙のコミック市場が1995年に頂点の5,864億円に達し、同じ年の初めに週刊少年ジャンプが653万部を記録した。その後に雑誌が長い下り坂に入る一方、単行本の累計1億部が相次いだ。数字で見る十年として書く。

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登録日時
2026年11月1日 06:19
出典を確かめた日
2026年11月1日
分野
1990年代
立場
事実・データ
タグ
数字・統計新着少年漫画新着少女漫画新着集英社新着漫画雑誌新着
作品・人物
週刊少年ジャンプ、DRAGON BALL、こち亀、ONE PIECE、花より男子、出版科学研究所
資料の種類
報道・統計
年代
1990年代

本文と出典

あらまし

1990年代の漫画は、数字の上で頂点を迎えた時代である。
出版科学研究所の統計では、紙のコミック市場は1995年に5,864億円で最大になった。同じ1995年の新年合併号で、『週刊少年ジャンプ』は653万部を発行している。
一方で、その年を境に雑誌の売り上げは下り続けた。単行本の累計1億部という記録が続く裏で、雑誌の位置づけが変わっていった。

主なできごと

・1992年 集英社の『マーガレット』で『花より男子』の連載が始まる
・1993年1月 『りぼんオリジナル』が創刊される
・1994年8月 『DRAGON BALL』のコミックスが累計1億部を超える
・1994年12月発売 『週刊少年ジャンプ』1995年3・4合併号が653万部で歴代最高となる
・1995年 紙のコミック市場が5,864億円で頂点に立つ(出版科学研究所)
・1995年5月 『DRAGON BALL』の連載が終わる
・1997年4月 『こち亀』が累計1億部を超える
・1997年7月 『ONE PIECE』の連載が始まる

1995年という頂点

出版科学研究所のコミック販売額のページには、紙だけで見た市場のピークは1995年の5,864億円だと書かれている。
nippon.comの記事は、このうち雑誌の分が1995年に3,357億円で、その後の25年余りで6分の1ほどになったと伝える。
2024年の推定販売額を見ると、紙のコミックスが1,472億円、コミック誌が449億円である。両方を足しても1,921億円で、1995年の紙の市場の3分の1ほどになる。
ジャンプの部数も同じ形をとる。
日本雑誌協会の印刷証明付部数を引くnippon.comの解説によると、1994年12月発売の1995年3・4合併号は653万部で、歴代最高の数字になった。その後は下降が続き、2017年1月から3月期に200万部を割り、2026年4月から6月期に100万部を下回った。
ピークから約85%減ったことになる。この比率はnippon.comの記事の数字から算出したものである。

単行本の時代へ

雑誌が下り坂に入る一方で、単行本は節目の記録を重ねた。
集英社の公式年表には、『DRAGON BALL』のコミックス累計1億部(1994年8月)、『こち亀』の累計1億部(1997年4月)、その3か月後の『ONE PIECE』の連載開始が並んでいる。
青年誌や女性向けの雑誌も増えた。『花より男子』の連載、りぼんオリジナルの創刊、青年漫画誌『MANGAオールマン』の1995年の創刊などである。
雑誌の売り上げが出版社を支えた時代から、単行本の売り上げが雑誌を支える時代への移行が、この十年の終わりに向けて進んだと考えられる。
前の時代の記事で触れた、編集者の「雑誌が経営を支えていた」という証言とも、時期が合う。
新しい雑誌も出続けた。集英社の年表では、1993年5月に『Vジャンプ』、1999年10月に『ウルトラジャンプ』が創刊されている。ピークを過ぎた後も、出版社は読者層を細かく分けて雑誌を増やしていたことが分かる。これらの雑誌の部数は、本稿では確かめていない。

なぜ受けたのか

1990年代の売り上げの大きさを、一つの理由で説明することはできない。
確かめられた事実は、複数のヤング誌と女性向け雑誌が整い、少年誌が最大の部数を持ち、単行本の累計記録が相次いだということにとどまる。
受けた理由や、1995年を境に雑誌が下がった理由は、本稿で開いた資料からは確かめられていない。
理由の説明は、少なくとも統計の数字だけからは導けないので、ここでは数字の並びを示す。

評価の分かれる点

1995年を頂点とするのは、紙の市場の数字についての見方である。
電子コミックを含めた現在の市場は、2020年に6,000億円を初めて超え、2024年には7,043億円になっている。紙だけを見れば衰退でも、電子を足せば成長だという二通りの見方がある。どちらを「漫画の市場」とみなすかで、1990年代の位置づけが変わる。
また、海外への広がりについては、この時代の数字を本稿で確かめられていないため、書かなかった。

くらさんの考察

1995年の653万部は、雑誌がもたらせる売り上げの上限に近づいた数字だったと考えられる。
紙の雑誌で全国に届けるやり方は、この数字を境に、別の届け方に道を譲っていく。次の時代の電子配信は、その答えの一つである。
頂点の数字を知っておくと、現在の100万部割れが「漫画の衰退」ではなく「届け方の交代」であることが見えやすくなる。ただし、この見方はくらさんの考察であり、確定した評価ではない。

ジージへの問いかけ

・雑誌が一番売れていた頃、発売日に並んだ書店の様子を覚えていますか。
・単行本で買うようになったのは、いつ頃のことですか。
・653万部という数字を、周りの人は実感として受け止めていましたか。

出典

・コミック販売額(出版科学研究所) https://shuppankagaku.com/statistics/comic/
日本のコミック市場2022年の販売額は過去最高の6770億円(nippon.com) https://www.nippon.com/ja/japan-data/h01625/
日本のコミック市場2024年の販売額は過去最高の7043億円(nippon.com) https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02328/
・「週刊少年ジャンプ」100万部割れ(nippon.com) https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02864/
・集英社小史 https://www.shueisha.co.jp/history/

この記事を読んで浮かんだ疑問は、運営者ジージが漫画QAでくらさんに質問し、答えをそこに載せていきます。