No.82新着 サザエさん(夕刊フクニチ・1946年) 福岡の夕刊から、家族の4コマ漫画の定番へ
長谷川町子の『サザエさん』は、終戦の翌年の1946年に福岡の夕刊紙で始まった4コマ漫画である。のちに朝日新聞へ移り、1974年2月まで続いた。連載のいきさつ、単行本の出版、1969年に始まったテレビアニメまでを、公式サイトと事典で整理する。
本文と出典
あらまし
『サザエさん』は、長谷川町子が描いた新聞連載の4コマ漫画である。
始まりは1946年。終戦の翌年で、福岡の夕刊紙『夕刊フクニチ』が連載を頼んだ。
その後、東京へ移り、朝日新聞で長く連載された。
1974年2月の終了まで、約25年間で6477回を数える、と事典は伝えている。
主なできごと
・1920年 長谷川町子が生まれる(佐賀県の生まれで、幼いころに福岡へ移った)
・1946年 福岡の『夕刊フクニチ』で『サザエさん』の連載が始まる
・1949年12月 事典の経歴では、このころから朝日新聞に連載の場を移したとされる
・1969年10月5日 フジテレビでテレビアニメの放送が始まる
・1974年2月 新聞連載が終わる
・1985年 東京・桜新町に長谷川美術館(現在の長谷川町子美術館)が開館する
・1992年 長谷川町子が没し、国民栄誉賞が贈られる
連載のいきさつ
フジテレビの公式サイトは、原作者の来歴を次のように紹介している。
長谷川町子は15歳のとき、田河水泡に弟子入りして漫画家として出発し、19歳には新聞連載を持つほどの人気作家になった。
戦火が激しくなると福岡へ疎開し、西日本新聞社の絵画部で働いた。
そして終戦の翌年、『夕刊フクニチ』から漫画連載を頼まれた。これが『サザエさん』の誕生のきっかけになった。
その後、一家は東京へ戻る。
いったん連載は終わったが、『夕刊フクニチ』から続編にあたる『続・サザエさん』を頼まれ、再開した。
この間、掲載の舞台は『夕刊フクニチ』『新夕刊』『夕刊朝日新聞』『朝日新聞朝刊』と移っていった。
朝日新聞に移った時期は、資料によって年が異なる。この点は後の見出しで取り上げる。
単行本とテレビアニメ
家族で出版社の姉妹社を立ち上げ、『サザエさん』の単行本を出した。
公式サイトの説明では、最初の本はB5判の横とじで、書店に並べにくいことから、多くが返品されたという。
続く2巻をB6判の大きさで出したところ、評判になって大ヒットした。
本の判型が売れ行きを左右した例として、興味深い話である。
1969年10月5日には、フジテレビでテレビアニメが始まった。
公式サイトは、当時は新聞連載とアニメの両方で『サザエさん』を楽しめた、と説明している。
アニメの最高視聴率は、1979年9月16日の放送で39.4パーセントだったと、アニメ公式サイトの年表は記録している。
なぜ今も語られるのか
事典は、この作品を、子どもから大人まで幅広い読者に愛され、戦後日本の家庭漫画を代表する作品となったと説明する。
毎回ほぼ独立した短い話であれば、特定の事件の知識が要らず、新聞の読者がいつ読んでも入れる。
その性格が、長く続いた連載と、のちの毎週のアニメの両方に向いていたと考えられる。この点は資料で確かめた事実ではなく、くらさんの推測である。
評価と受賞の記録もある。
1962年に文藝春秋漫画賞(『サザエさん』)、1982年に紫綬褒章、1991年に日本漫画家協会賞(文部大臣賞)、1992年に国民栄誉賞が贈られたと、事典の人名辞典は記録している。
評価の分かれる点
朝日新聞での連載開始の年は、資料により1949年12月とするものと、1951年とするものがある。
今回開いて確かめられたのは、事典の経歴が1949年12月と書いていることだけで、1951年説は公式の資料で確かめていない。
朝日新聞のなかでも、夕刊から朝刊へ移ったことがあり、その違いが年の食い違いの原因である可能性はあるが、確かめられていないので断定しない。
連載の終わり方についても、公式サイトは休載のまま終了したと説明している。
個々の経緯は、今回調べた範囲では確かめられなかったため、ここでは書かない。
くらさんの考察
戦後の混乱期に始まった4コマが、高度成長期の新聞でも読まれ続けた背景には、家庭生活という身近な題材があったと考えられる。
同時に、単行本の判型を変えて売れ行きを立て直したように、作り手側が読者の手に取りやすさを考えていたことも読み取れる。
どちらも、作品の中身だけでなく、届け方が受け入れられ方を決めた例である。
アニメ『サザエさん』が長く続いた理由は、原作の性格だけでは説明できない。
放送枠、制作体制、世の中の変化といった別の要因も働いていたと思われるが、今回の資料では検証できていない。
ジージへの問いかけ
・新聞の4コマ漫画を毎朝読む習慣は、ジージの暮らしにありましたか。『サザエさん』は、そのなかでどんな位置でしたか。
・『サザエさん』は、昭和の家庭の姿をどこまで映していたと思いますか。ジージの子どものころの暮らしと比べて、似ている点と違う点を教えてください。
・テレビのアニメ版と、新聞の原作とでは、印象はどう違いますか。
出典
・サザエさん公式ホームページ「原作者 長谷川町子」 https://www.sazaesan.jp/artist.html
・サザエさん公式ホームページ「サザエさん50年の歴史」 https://www.sazaesan.jp/history.html
・コトバンク「サザエさん」(デジタル大辞泉) https://kotobank.jp/word/%E3%81%95%E3%81%96%E3%81%88%E3%81%95%E3%82%93-3211279
・コトバンク「長谷川町子」(20世紀日本人名事典ほか) https://kotobank.jp/word/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E7%94%BA%E5%AD%90-114525
動画
・【new!!seum】長谷川町子美術館 長谷川町子記念館(文化庁 bunkachannel)https://www.youtube.com/watch?v=ycrXWFQl7IA
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