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No.220新着 こちら葛飾区亀有公園前派出所(集英社・1976年) 一度も休載せず40年、下町の派出所から時代の流行を映し続けた週刊連載

秋本治が1976年に『週刊少年ジャンプ』で始め、2016年9月に全200巻で区切りをつけた警察ギャグ漫画。40年間一度も休載しなかったことと、ギネス世界記録に認められた巻数で知られる。連載後も読み切りと新刊が続き、巻数の数え方は資料ごとに食い違う。

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登録日時
2026年11月7日 19:47
出典を確かめた日
2026年11月7日
分野
名作を読む
立場
事実・データ
タグ
少年漫画新着集英社新着アニメ化・映像化新着数字・統計新着
作品・人物
秋本治、こちら葛飾区亀有公園前派出所、両津勘吉、集英社、週刊少年ジャンプ
資料の種類
事典・概説
年代
1976年、2016年、1970年代、2010年代

本文と出典

あらまし

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は、秋本治が集英社の『週刊少年ジャンプ』に描いた漫画である。通称は「こち亀」。主人公は派出所に勤める巡査の両津勘吉で、東京の葛飾区亀有が舞台に置かれている。
連載は1976年に始まり、2016年に最終回を迎えた。約40年にわたる週刊連載で、作者が一度も休載しなかったことが、複数の報道で繰り返し伝えられている。
この記事は、連載の長さが何を意味するかを中心に、確かめられた事実を整理する。個々の話の筋や結末には立ち入らない。

主なできごと

・1976年9月 『週刊少年ジャンプ』で連載が始まる(連載開始日を9月21日とする資料がある)
・2016年9月3日 神田明神での奉納式で、連載終了が発表される
・2016年9月14日 日本橋高島屋でギネス世界記録の認定証授与式が行われる
・2016年9月17日 『週刊少年ジャンプ』42号で最終回を迎え、同日に単行本200巻が出る
・2021年7月5日 『ゴルゴ13』の単行本201巻が出て、ギネスの巻数の記録が塗り替えられる
・2026年9月4日 連載終了後の作品を集めた新刊202巻が出る

くわしく 連載の始まりと終わり

連載の始まりは、投稿作の入選だった。2025年に電子書店「ゼブラック」が公開した作者のインタビューを伝える記事によると、ジャンプへの初めての投稿が入選し、そのまま連載の話が来たという。作者は喜びよりも、毎週原稿を描き続けられるかという不安のほうが大きかったと語っている。
連載の開始時期は、確かめた資料で「1976年9月」までは一致した。日本語版ウィキペディアは連載を1976年42号から2016年42号までとし、入選作の読み切りは同年29号に載ったと記す。この号数はウィキペディアだけの記述で、公式の資料では確かめていない。
終わりについては、ギガジンが、2016年9月3日に神田明神で行われた約7メートルの絵巻の奉納式で、作者が連載終了を発表したと伝える。最終回は9月17日発売のジャンプ42号である。映画.comは、単行本200巻が9月17日に出たと書いた。

くわしく 連載の長さが意味するもの

40年という長さは、数字でも確かめられる。ギガジンは「200巻」「40年」「一度も休載なし」を並べて記録として紹介している。映画.comによれば、200巻をもって「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された。ウィキペディアは、ジャンプの歴代最長連載であり、少年誌でも最長だとする。
週刊連載で休載がないことの重みは、作者の語りからも読み取れる。ゼブラックのインタビューを伝える記事によれば、毎週19ページを守り、休まず描いた。最初は1話分のネームに1週間以上かかり、ストックも予定の10話分に届かず6話分だったという。10話続けて単行本1冊を出すことが当初の目標で、40年続くとは考えていなかったとも述べている。
『週刊現代』の記事(2019年12月)では、作者は計画的に作業の時間を決める方法を挙げ、連載終了後もすぐ次の連載に取りかかったと語る。休むと勘を取り戻すのに時間がかかるから、というのが理由だった。
連載の長さは、そのまま巻数の多さにもなった。ただし、この記録は長くは続かなかった。2021年7月に『ゴルゴ13』が単行本201巻を出し、ギネスの記録を超えたと、アニメニュースネットワーク(ANN)が報じている。200巻の時点で並んでいたことも同じ記事にある。

くわしく 下町の風俗と時代の移り変わり

舞台の亀有は、東京の東側、荒川と中川に挟まれた地域である。マイナビニュースは、亀有を「こち亀とともにある街」と紹介し、駅前に銅像が建つ様子を伝える。2017年の時点で銅像は15体あり、最初の1体、両津の像は2006年に建ったという。商店街と神社が中心になって進めたと記事にある。
作者自身は、主人公の人物像について、東映の任侠映画の硬派な雰囲気と、『男はつらいよ』の寅さんのような下町の人情味を合わせたと語る(ゼブラックのインタビューを伝える記事)。子どものころの下町の思い出が、作品世界の源になったとも述べている。派出所を舞台にした理由は、刑事ものを描くには資料が足りず、身近な場所を選んだからだという。
もう一つの特徴は、その時どきの流行や新しい物を取り入れ続けたことである。『週刊現代』の記事によると、作者はラジオ番組で新商品や最新のニュースを仕入れ、興味が湧くと調べて題材にした。題材の条件は、主人公が活躍できることだった。インターネットを扱うときは、担当編集者と書店街で関連書を探したという。
リアルサウンドの記事は、とくにホビー分野を挙げる。プラモデル、エアガン、フィギュアなどを扱った回が多く、「プラモデル」の語は第2巻、「フィギュア」は第44巻(1987年)、「ガレージキット」は第40巻(1986年)が初出だと数えている。1987年当時は、フィギュアという言葉が一般にはなじみが薄かったとも指摘している。
つまり、下町の人情を土台にしつつ、画面の中身は時代ごとに入れ替わっていった。1970年代の派出所の話と、2010年代の最終回近くの話では、扱う物も言葉も違う。

なぜ今も語られるのか

2026年に連載開始から50年を迎え、特設サイトの開設や全話の無料公開キャンペーンなどの企画が行われている(リアルサウンド)。2016年の最終回の後も、読み切りが断続的に載っていると、ウィキペディアは記す。新アニメの制作が2027年に予定されていると、リアルサウンドも伝える。完結した作品でありながら、新しい形で触れる機会が続いている。
アニメは、ウィキペディアによれば、1996年6月から2004年12月まで放送され、全344話だった。ドラマ化は2009年である。これらの数字はウィキペディアの記述で、放送局などの一次の資料では確かめていない。

評価の分かれる点

巻数の数え方は、資料ごとにずれている。連載時の単行本は200巻で、多くの報道がそう書く。一方、ジェイプライムの記事は、2016年の201巻が最終巻だったと書いており、他の資料と合わない。連載後の新作を集めた巻が2021年に201巻と202巻として出たとするウィキペディアとも食い違う。ここでは、連載時は200巻、その後に新刊が加わったと整理するが、誤記の原因までは確かめていない。
累計部数は、ウィキペディアが2016年6月時点で1億5650万部と記す。国内か世界か、電子を含むかといった条件は、確かめた範囲では分からなかった。公式の発表を開けていないので、数字としては参考にとどめる。
受賞について、ウィキペディアは2001年の日本漫画家協会賞大賞と2004年の小学館漫画賞審査員特別賞を挙げる。これも公式の資料での確認はしていない。

くらさんの考察

連載が長続きした理由は、一つには決められない。ただ、確かめられた事実を並べると、題材の幅広さが関係していたと考えられる。ホビーからインターネットまで、毎週の話の材料を外から取り入れ続ける方法を、作者は意識して取っていた。下町の人情という変わらない土台があったから、新しい物が次々と入っても作品の軸がぶれなかった、とも考えられる。ただし、これは資料から直接言えることではなく、くらさんの読みである。

ジージへの問いかけ

・1976年にジャンプで連載が始まったとき、警察官が主人公のギャグ漫画をどんな印象でご覧になりましたか。
・亀有のような下町の空気を、ご自身の暮らしてきた土地と重ねて感じることはありますか。
・毎週休まず描き続けた40年と、最近の短い連載や休載の多い作品を比べて、読者として何を感じますか。

出典

・映画.com(アニメハック)「こち亀」ギネス世界記録認定の記事(2016年9月16日) https://anime.eiga.com/news/103295/
・ギガジン「こち亀」最終回の記事 https://gigazine.net/news/20160903-kochikame-last1
・KAI-YOU(2016年9月16日) https://kai-you.net/article/33288
・マイナビニュース「亀有」の記事(2017年10月26日) https://news.mynavi.jp/article/20171026-kameari/
・リアルサウンド「50周年『こち亀』の隠れた偉業」(2026年9月) https://realsound.jp/book/2026/09/post-2521996.html
・日刊電電(ゼブラックの秋本治インタビューを伝える記事・2025年9月21日) https://www.toy-people.com/jp/?p=103695
・現代ビジネス(『週刊現代』2019年12月21日号) https://gendai.media/articles/-/69282
・Anime News Network(2021年7月5日) https://www.animenewsnetwork.com/interest/2021-07-05/golgo-13-manga-breaks-record-for-guinness-world-record-for-most-volumes/.174827
・ジェイプライム(2022年5月28日) https://www.jprime.jp/articles/-/24054
・日本語版ウィキペディア「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(手がかりとして参照) https://ja.wikipedia.org/wiki/こちら葛飾区亀有公園前派出所

動画

・アニメ『新こちら葛飾区亀有公園前派出所』キャラクターPV(ジャンプチャンネル)https://www.youtube.com/watch?v=hFxEBaTxkX0
・第29回手塚治虫文化賞 記念トーク りんたろう×秋本治(手塚治虫文化賞)https://www.youtube.com/watch?v=4y_cO8e1byY

関連動画

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