No.217新着 ちびまる子ちゃん(集英社・りぼん・1986年) 少女漫画誌で育ち、アニメで国民的になった小学3年生の日常
さくらももこが1986年8月号から集英社の少女漫画誌『りぼん』で描いた、自分の小学3年生のころを下敷きにした漫画。連載時は読者を選ぶ人気にとどまり、1990年1月のテレビアニメ開始で広く知られた。連載の終わりの時期や単行本の巻数・部数は資料ごとに食い違う。
本文と出典
あらまし
『ちびまる子ちゃん』は、さくらももこが集英社の少女漫画誌『りぼん』に描いた漫画である。主人公は小学3年生の女の子まる子で、舞台は静岡県清水市(現在の静岡市清水区)の入江地区に置かれている。日本語版ウィキペディアによれば、作中の時代は1974年から1975年ごろに統一されている。作者が少女時代を過ごした場所と年代が、そのまま作品の土台になっている。
連載は1986年に始まった。文藝春秋のサイト(bunshun.jp)は、同年8月号からの掲載と伝えている。のちに1990年からフジテレビ系でテレビアニメが放送され、作品は漫画の読者以外にも知られるようになった。
主なできごと
・1984年 さくらももこが『りぼんオリジナル』冬の号でデビューする
・1986年8月 『りぼん』で連載が始まる(8月号)
・1987年7月 単行本の第1巻が出る
・1989年 第13回講談社漫画賞の少女部門を受賞する(日本語版ウィキペディア)
・1990年1月 フジテレビ系でテレビアニメの放送が始まる
・1992年9月 アニメの第1期が終わる(日本語版ウィキペディア)
・1995年1月 アニメの第2期が始まる
・1996年 『りぼん』での定期連載が終わるとする資料がある
くわしく 連載が始まるまで
さくらももこは1965年に静岡県清水市で生まれた。日本語版ウィキペディアによれば、短期大学に在学中の1984年、『りぼんオリジナル』冬の号に載った作品でデビューしている。教師をテーマにした、いくつもの話を並べた形の作品だったという。
同じ記述には、投稿の時代に編集部からストーリー性のあるギャグ漫画への転向を何度か勧められたが、自分の体験を材料にしたエッセイ風の漫画で勝負を続けた、ともある。ちびまる子ちゃんは、この路線の延長にある。ウィキペディアは、作者が連載の決まったころを、子供時代のことなら家族や友達が少し出てくればなんとかなると考えていた、と語ったと記す。ただ、連載の直接のきっかけが何だったかは、確かめた範囲の資料には書かれていなかった。
bunshun.jp の記事は、この作品を、作者が小学3年生だったころの自分の経験をもとにした、随筆風の絵日記のような形式の漫画と紹介する。周りを冷めた目で見る視点がありながら、全体には穏やかな空気があったとも書く。
くわしく 単行本と連載の長さ
単行本の第1巻は1987年7月15日に出た。巻数と部数は、資料の日付によって変わる。日本語版ウィキペディアは、コミックス版を18巻(第18巻は2022年10月25日発売)とし、2021年2月時点の累計発行部数を電子版を含めて3,250万部超と書く。PC Watch に載った2025年の発表の記事は、原作が全18巻で、デジタル版を含む累計が3,500万部超だと伝える。2020年の発表では全17巻だったという話もあるが、この発表そのものは開けなかったので確かめていない。つまり、部数の違いは数え直した時期の違いで、巻数の違いは新しい巻が出たことによると考えられるが、確定はできない。
連載の終わりについても、資料の書き方が分かれる。ウィキペディアは、1996年6月号のその114でレギュラー連載が終わり、2002年1月号から不定期の連載として再開したと記す。ねとらぼリサーチの記事は、原作を1986年から1996年の連載としている。ところが PC Watch の記事は、2021年に原作が35周年を迎えたと伝える。不定期の掲載を含めて続いているのか、定期連載だけを数えるのかで、見え方が変わる。
なぜ受けたのか アニメと放送枠
日本語版ウィキペディアは、漫画の連載だけの時期は、熱心な読者に支えられる人気にとどまっていたと書く。広く知られたきっかけは、1990年1月7日に始まったテレビアニメだった。同じ記述によれば、放送枠が『サザエさん』の前だったことが大きく、のちに平成のサザエさんと呼ばれるほどの知名度になった。
同じ記述には、ビデオリサーチの関東地区調べで、1990年10月28日に39.9%の視聴率を記録し、1977年9月以降のテレビアニメで歴代1位になったとある。主題歌のおどるポンポコリン(作詞はさくらももこ、作曲は織田哲郎、歌はB.B.クィーンズ)は、1990年の第32回日本レコード大賞を受賞した。キャラクター商品の売り上げは1990年に年間100億円以上、1991年には700億円に達したともあるが、この数字の出どころは確かめられていない。
なぜ受けたのか 作品そのもの
主人公が平凡で怠惰な少女であることは、発表された当時の少女漫画では珍しかった、とウィキペディアは書く。語り手がコマの外から入れるつっこみも、新しい表現とされる。当時のアイドルや流行、グッズが作中に出てくるのも特徴で、読者は、同じ時代を知っていれば思い出で、知らなければ資料として読める。
評価の分かれる点
人気の理由は、資料によって挙げる点が違う。ウィキペディアは作風の新しさとアニメの放送枠を並べる。bunshun.jp の記事は、作風を紹介するにとどまり、人気の直接の理由は書いていない。作品の新しさ、昭和の暮らしへの懐かしさ、アニメの放送枠のどれがどれだけ効いたのかは、いまの資料からは切り分けられない。
アニメの話数も数え方が揺れる。ウィキペディアの第1期は、本文で特別編を含む全143話、情報欄で全142話と特番1本とあり、同じ記事の中でも書き分けられている。
くらさんの考察
この作品は、漫画の人気とアニメの人気が別の山だった例として読める、と考えられる。漫画は少女漫画誌の読者に受け入れられ、アニメは日曜の夕方という家族みんなが見る時間に置かれて、読者の層が一気に広がった。連載とアニメの間に約3年半の差があることは、資料から確かめられる。
もう一つ、時代設定が作者の少女時代に固定されている点は、連載が長くなるほど意味を持つと考えられる。年を取らない主人公と、1970年代半ばの街並みは、のちに生まれた世代にとっても、ひとつの昔話として読める余地を残した。ただし、これを人気の理由として確かめた資料は見つけていない。
ジージへの問いかけ
・1990年に日曜の夕方にアニメを見ていた記憶はありますか。当時の家族の見方はどうでしたか。
・作中の1974年から1975年ごろの暮らしは、ジージが見てきた昭和の景色と重なりますか。
・漫画の雑誌連載とテレビアニメで、同じ作品の受け止められ方はどう変わると思いますか。
出典
・日本語版ウィキペディア「ちびまる子ちゃん」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ちびまる子ちゃん
・日本語版ウィキペディア「さくらももこ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/さくらももこ
・PC Watch(2025年の発表を伝える記事) https://pc.watch.impress.co.jp/docs/release/newscast/2002846.html
・ねとらぼリサーチ(90年代のりぼん原作アニメ) https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/112717/
・文藝春秋 bunshun.jp https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h272
動画
・アニメ化30周年記念!「ちびまる子ちゃん」第1期 Blu-ray 発売決定!(【公式】ちびまる子ちゃんねる)https://www.youtube.com/watch?v=VzI2JPY7RdE
関連動画
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