No.35新着 スポーツ漫画 スポ根の流行から今の競技漫画まで
スポーツ漫画は、競技を題材にした漫画である。1950年代の熱血柔道漫画のイガグリくんを前史として、1966年の巨人の星、1968年のあしたのジョーでスポ根が流行した。1990年代にはSLAM DUNKが広い読者を得て、2022年に映画になった。
本文と出典
あらまし
スポーツ漫画は、野球、柔道、ボクシング、バスケットボールなど、競技を題材にした漫画である。少年漫画や青年漫画のように読者で分けるのではなく、題材で分ける呼び方だ。
1960年代後半に、努力と根性を前面に出した「スポ根」が流行する。『巨人の星』(1966年〜)と『あしたのジョー』(1968年〜)が、その代表である。その後も、競技ごとに作品が生まれ、1990年代の『SLAM DUNK』は、アニメ化とともにバスケットボールを始める子どもを増やしたと報じられた。
2026年10月には、『あしたのジョー』の作画を担当したちばてつやの死去が伝えられた。
主なできごと
・1952年 福井英一『イガグリくん』が『冒険王』で連載開始(3月号〜1954年8月号)
・1954年 福井英一が急死し、清水春雄らが連載を引き継ぐ
・1966年 梶原一騎原作、川崎のぼる作画『巨人の星』が『週刊少年マガジン』で連載開始(〜1971年)
・1967年 『巨人の星』が講談社児童まんが賞(第8回)を受ける
・1968年 1月1日号から、ちばてつや作画『あしたのジョー』が『週刊少年マガジン』で連載開始(〜1973年5月13日号)。3月、『巨人の星』のテレビアニメ放送開始(〜1971年9月)
・1970年 4月、『あしたのジョー』のテレビアニメ放送開始(〜1971年9月)
・1976年 10月、『ドカベン』のテレビアニメ放送開始(〜1979年12月)
・1990年 『SLAM DUNK』が『週刊少年ジャンプ』で連載開始(〜1996年)
・2012年 古舘春一『ハイキュー!!』が『週刊少年ジャンプ』で連載開始(〜2020年)
・2022年 映画『THE FIRST SLAM DUNK』が公開
・2026年 10月22日、ちばてつやが87歳で死去(27日に判明)
前史とスポ根の誕生
戦後の少年向けのスポーツ漫画の早い例に、福井英一『イガグリくん』がある。コトバンクの辞典によれば、『冒険王』に1952年3月号から1954年8月号まで連載された熱血柔道漫画で、主人公は中学の柔道部員、得意技は巴投げである。1954年に福井が急死し、清水春雄らが引き継いだ。ただし、スポーツ漫画として「最初」の作品かどうかは確かめていない。
「スポ根」は、「スポ」がスポーツ、「根」が根性の略で、一つのスポーツに専念して努力を重ねることを指す。多くはそのような主人公を描く漫画などをいう(デジタル大辞泉、精選版日本国語大辞典)。
『巨人の星』は、梶原一騎が原作、川崎のぼるが作画を担当した野球漫画で、父親から野球の英才教育を受けた少年が読売ジャイアンツに入り、ライバルと戦う筋である。『週刊少年マガジン』に1966年から1971年まで連載され、1968年3月から1971年9月まで日本テレビ系でアニメが放送された(デジタル大辞泉プラス)。日本人名大辞典は、この作品がスポーツ根性漫画として一大ブームをまきおこしたと記している。
『あしたのジョー』は、ちばてつやの作画、高森朝雄名義の梶原一騎の原作によるボクシング漫画である。『週刊少年マガジン』に1968年1月1日号から1973年5月13日号まで連載された。不良少年の矢吹丈がボクシングに目覚め、戦いを通して成長する物語で、単行本は講談社の少年マガジンKCで全20巻である(デジタル大辞泉プラス)。
競技の広がり
野球では、水島新司が野球漫画の第一人者として紹介されている(デジタル大辞泉)。『ドカベン』は高校野球を題材とし、続編に『大甲子園』『プロ野球編』などがある。1976年10月から1979年12月までフジテレビ系でアニメが放送された。
『SLAM DUNK』は、井上雄彦の作品で、1990年から1996年まで『週刊少年ジャンプ』に連載された。共同通信のニュース用語解説は、国内シリーズ累計の発行部数を1億2千万部以上とし、テレビアニメ化で人気を集め、バスケットボールを始める子どもが増えたと記す。2022年には井上が原作、脚本、監督を務めた映画『THE FIRST SLAM DUNK』が公開され、第46回日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞を受けた。
『ハイキュー!!』は、バレーボールを題材にした古舘春一の作品で、『週刊少年ジャンプ』に2012年から2020年まで連載された。
ちばてつやの死去
共同通信によれば、ちばてつやは2026年10月22日に東京都内の病院で亡くなった。87歳。27日に判明した。『あしたのジョー』のほか『おれは鉄兵』『のたり松太郎』などで知られ、2024年に文化勲章を受けた。
評価の分かれる点
スポ根の根性の描き方を、いまの目でどう評価するかは、読む人によって分かれると考えられる。本稿では、確かめた出典がないため、評価を書かない。
「最初のスポーツ漫画」は何かも、定説は確かめられなかった。
くらさんの考察
スポーツ漫画は、読者ではなく題材で分ける呼び方だと整理できる。載る雑誌は少年誌が多いが、そうでないものもある。
スポ根の流行は、少年週刊誌の競争と、テレビアニメ化の広がりが重なる時期に起きている。作品が雑誌で人気を得て、アニメで全国に届く流れは、1960年代後半から強まったと考えられる。ただし、流行の原因を一つに絞れる資料は見つけていない。
『SLAM DUNK』が競技人口に影響したという報道は、競技団体などの数字で裏付けていないので、そういう報道があった、という範囲にとどめる。
ジージへの問いかけ
・子どものころ、どのスポーツ漫画に夢中になりましたか。
・『巨人の星』や『あしたのジョー』が流行した時期、周りの子どもは何を真似しましたか。
・今の子どもが読むスポーツ漫画に、昔との違いを感じますか。
出典
・コトバンク「スポ根」(デジタル大辞泉、精選版日本国語大辞典) https://kotobank.jp/word/%E3%81%99%E3%81%BD%E6%A0%B9-3222531
・コトバンク「巨人の星」(デジタル大辞泉プラス) https://kotobank.jp/word/%E5%B7%A8%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%98%9F-704869
・コトバンク「星飛雄馬」(日本人名大辞典+Plus) https://kotobank.jp/word/%E6%98%9F%E9%A3%9B%E9%9B%84%E9%A6%AC-1107908
・コトバンク「あしたのジョー」(デジタル大辞泉プラス) https://kotobank.jp/word/%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%98%E3%82%87%E3%83%BC-3226536
・コトバンク「イガグリくん」 https://kotobank.jp/word/%E3%81%84%E3%81%8C%E3%81%90%E3%82%8A%E3%81%8F%E3%82%93-3225613
・コトバンク「ドカベン」(デジタル大辞泉プラス) https://kotobank.jp/word/%E3%81%A9%E3%81%8B%E3%81%B9%E3%82%93-3226586
・コトバンク「水島新司」(デジタル大辞泉ほか) https://kotobank.jp/word/%E6%B0%B4%E5%B3%B6%E6%96%B0%E5%8F%B8-637944
・コトバンク「スラムダンク」(共同通信ニュース用語解説) https://kotobank.jp/word/%E3%81%99%E3%82%89%E3%82%80%E3%81%A0%E3%82%93%E3%81%8F-3204642
・コトバンク「THE FIRST SLAM DUNK」 https://kotobank.jp/word/thefirstslamdunk-3109793
・「漫画家のちばてつやさん死去「あしたのジョー」文化勲章受章」共同通信、熊本日日新聞、2026年10月27日 https://kumanichi.com/articles/2051000
・アニメハック(映画.com)「舞台「ハイキュー!!」新プロジェクト始動」、2022年8月15日 https://anime.eiga.com/news/116707/
動画
・「あしたのジョー」ちばてつやさん死去、87歳 京都国際マンガミュージアムにジョーのイラストとサイン(読売テレビニュース)https://www.youtube.com/watch?v=MWah4A4A3Lw
関連動画
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