No.133新着 韓国のウェブトゥーンと縦読み 紙のページという枠を外した漫画
ウェブトゥーンは、インターネット向けに作られた韓国発の漫画で、紙のページで区切らない縦長の形が特徴である。韓国政府の広報サイトの2016年の記事と、文化体育観光部の発表をもとに、始まり、縦読みの意味、2022年までの産業規模を整理する。
本文と出典
あらまし
ウェブトゥーンは、インターネット向けに作られた韓国発の漫画である。
画面を指で上下に動かして読む縦長の形が特徴で、紙のページで区切らずに場面を続ける。
この記事は、韓国政府の公式広報サイトKorea.net(2016年3月3日の記事)と、韓国の文化体育観光部(MCST)の英語の発表を土台に、始まりと縦読みの意味、産業としての規模を整理する。
2023年以降の売上は、公的資料の原文を開けなかったので書かない。
確認できた範囲では、売上の数字は2022年分までである。
主なできごと
・1990年代 韓国の漫画家がウェブ上で作品を公開し始める(Korea.net)
・2000年代初め 最初の世代の作者が、Lycos KoreaやYahoo Koreaという新しい発表の場を得る
・2003年 ポータルサイトのDaumが漫画の専用サービスを作る
・2004年 Naverが続く
・2005年 Naverが専用の枠で作者に依頼して描かせ始め、描くことが仕事になる環境が整い始める
・2022年 韓国のウェブトゥーン産業の売上が1兆8,290億ウォンで過去最高になる(MCSTの2023年調査)
ウェブ上の漫画から産業へ
Korea.netの記事は、「ウェブトゥーン」という言葉ができる前の1990年代から、韓国の漫画家がウェブで作品を出していたと説明する。
新聞で知られた漫画家の作品が、読者のメールで広まったことも、きっかけの一つとして挙げられている。
2000年代にDaumとNaverが専用サービスを作り、その後のスマートフォンとタブレットの普及で、読める場所の制約が消えた。
記事は、これによって人口の約8割がいつでもどこでも読める状況になったと書く(2016年時点)。
「ウェブトゥーン」という語は、紙の媒体向けの漫画と、最初からインターネット向けに作られた漫画を区別するために生まれたという。
記事はさらに、伝統的な漫画産業が1990年代後半のアジア通貨危機と、成人向け漫画の出版を止めた青少年保護法で痩せ細っていたため、ウェブが新しい題材の受け皿になったと説明する。
縦読みという形
Korea.netは、ウェブの一つのページには理論上の長さの制限がなく、作者が「紙の1ページずつ」という枠から解放されたと説明する。
読む体験は、長く途切れない巻物に近づいた。
作者はこの利点を使い、見せ方や場面の終わらせ方に工夫を凝らした。
ホラーの作者の例では、背景が暗くなり、動く幽霊が現れる演出で恐怖を高めた。
縦読みは、紙のページの代わりに、画面の長さを使って間を作る設計だと考えられる。
日本の漫画の見開きやコマ割りとの具体的な違いは、公的な資料で確かめられなかったため、ここでは書かない。
産業としての規模
文化体育観光部と韓国コンテンツ振興院(KOCCA)の「2023年ウェブトゥーン実態調査(事業者と作者)」は、2022年のウェブトゥーン産業の売上を1兆8,290億ウォンと発表した。
前年の1兆5,660億ウォンから16.8%の増加である。
プラットフォーム企業の売上は1兆1,277億ウォンで、前年の8,241億ウォンから36.8%増えた。
1年間描き続けた作者の平均の年間総収入は約9,840万ウォンで、前年より約2,030万ウォン少なかった。
発表の日付は、添付ファイル名から2024年1月18日とみられる。
発表は、この調査結果が国の承認を受けた統計ではないと断っている。
Korea.netの2016年の記事は、KT経済研究所の推計として、2015年の国内市場を4,200億ウォン、2018年の予測を8,800億ウォンとする。
この推計と2022年の調査は、調べた主体も方法も違うため、一続きの推移としては読めない。
評価の分かれる点
Korea.netは、世界の多くの国にウェブ上で漫画を描く作者と読者がいると認めたうえで、韓国で産業になった理由として、IT基盤の整備と、ポータルが作者を職業にしたことを挙げる。
これが唯一の理由かどうかは、本稿の資料では判断できない。
産業の規模も、調査によって対象と年が異なる。
2023年以降の売上は報道で目にしたが、公的資料の原文を開けなかったため書かない。
くらさんの考察
コマ割りが紙の見開きに合わせて発達した、と考えられる日本の漫画と、画面に合わせて作り直したウェブトゥーンは、同じ漫画でも設計の出発点が違うと考えられる。
どちらが優れるという話ではなく、読む道具が変わると間の取り方も変わる、という話だと見る。
日本での広がりは、確かめた資料がないので扱わない。
ジージへの問いかけ
・スマートフォンで漫画を読む機会はあるでしょうか。
・縦に長い画面で読む漫画は、紙の漫画と同じように楽しめると思いますか。
・紙のページをめくる感じと、画面を送る感じでは、物語の受け取り方が変わると思いますか。
出典
・Korea.net「Korean webtoons entertain the world」(2016年3月3日)https://www.korea.net/NewsFocus/Culture/view?articleId=133278
・韓国 文化体育観光部(MCST)「Webtoon Industry Revenue in 2022 Reaches KRW 1.829 Trillion, Setting New Record」https://www.mcst.go.kr/english/policy/pressView.jsp?pSeq=354
動画
・The Birth of a Webtoon Empire [KBS WORLD SELECTION : EP.08](KBS WORLD TV)https://www.youtube.com/watch?v=fbM2EhfAejE
日本語の要約:韓国の公共放送KBSの番組。動画配信各社の競争のなかで、豊富な原作の宝庫として注目されるウェブトゥーンの20年の歴史と舞台裏を、人気作家たちとともに紹介する(動画の説明文による)。
・「ウェブトゥーン」人材育成に全力注ぐ韓国 “スター作家”が語る「必要な資質」とは(TBS NEWS DIG Powered by JNN)https://www.youtube.com/watch?v=RaTCtmiGBrU
関連動画
日本語の要約(動画の説明文からこのサイトがまとめたもの)
韓国の公共放送KBSの番組。動画配信各社の競争のなかで、豊富な原作の宝庫として注目されるウェブトゥーンの20年の歴史と舞台裏を、人気作家たちとともに紹介する(動画の説明文による)。
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