No.163新着 コミックマーケット 同人誌即売会という「場」の50年
コミックマーケットは1975年に始まった同人誌即売会である。準備会の公式の年表とアフターレポートで、始まり、会場の変遷、規模、感染症による中止、最近の開催の形を確かめた。数字には集計の条件があるため、条件をそえて書く。
本文と出典
あらまし
コミックマーケット(コミケ)は、1975年に始まった同人誌即売会である。
同人誌は、作り手が自分で出す、商業の流通に乗らない出版物を指す。
運営するのはコミックマーケット準備会で、毎年夏と冬に東京ビッグサイトで開かれてきた。
準備会は、コミケを、参加者が協力して作る「場」と位置づける。
この記事は、準備会の公式サイトを土台に、始まり、規模の変化、最近の開催の形を整理する。
主なできごと
・1975年12月21日 第1回を東京・虎ノ門の日本消防会館の会議室で開く。サークル数は32、参加者は推定700人
・1989年12月 第37回から幕張メッセでの開催が始まる
・1996年8月 第50回が東京ビッグサイト(有明)で開かれる
・2019年 第96回と第97回が4日間で開かれ、参加者はそれぞれ73万人、75万人(年表の記載)
・2020年 第98回は新型コロナウイルスの影響で中止になる
・2021年12月 第99回が2年ぶりに開かれる
・2025年12月 第107回。1975年12月から数えて50年にあたる
・2026年12月29日から31日 第109回を3日間で開く予定
始まりと広がり
準備会の年表によれば、1975年の夏、既存の「マンガ大会」への不満から、批評集団「迷宮'75」が即売会を企画した。
中心スタッフは4人だった。
第1回の参加者の約9割は、少女マンガのファンの中高生の女子だったと年表は記す。
規模は、年表の記載で見ると、1978年の第10回がサークル200、参加者推定3,000人、1983年の第25回が1,550、25,000人、1989年の第35回が8,900、70,000人である。
会場は、晴海から幕張メッセへ移り、1991年の第40回で晴海に戻り、1996年の第50回で東京ビッグサイトに移った。
同じ時期の年表は、第50回のサークル数を18,000、参加者を35万人と記す。
運営の考え方と記録
準備会は、公式の説明で、できるだけ多くの参加者を受け入れながら、運営に必要な最小限の規則にとどめることを目標に掲げる。
サークル、一般参加者、準備会スタッフ、企業など、関わる全員が協力して運営する「場」だとも位置づける。
準備会は、第1回から、サークルが出した見本誌を保存している。
現在は、準備会が協力する明治大学米沢嘉博記念図書館で、直近の回の見本誌を期間を区切って閲覧できる。
米沢嘉博は前代表で、2006年秋に亡くなり、共同代表制に移った。
準備会は2023年11月に、献血活動の長年の功労で、日本赤十字社から金色有功章を受けた。
最近の開催と数字
感染症の影響で、第98回(2020年5月)は3月末に中止が決まり、当日は代わりにエアコミケが行われた。
第99回(2021年12月30日、31日)は、参加者を大きく制限して開かれ、年表の参加者総数は11万人、サークルは2万である。
最近の回は、準備会のアフターレポートの数字で見る。
第106回(2025年8月16日、17日)の入場者は、1日目12万人、2日目13万人である。
第107回(2025年12月30日、31日)は、1日目15万人、2日目15万人で、のべ30万人とレポートは述べる。サークルスペースは約2万4千で、東京ビッグサイトの大規模改修工事の影響で、一昨年冬の第105回より約5,000スペース少なかった。準備会は、海外から75の国と地域の参加者を確認したとも書く。
第108回(2026年8月15日、16日)は、入場者が両日とも13万人、サークルスペースは約2万3千、出展した企業は121社だった。
第109回は、2026年12月29日から31日の3日間で、準備会の3月24日の発表では、約2万2千サークル、1日あたり8万から9万人の参加を見込む。これは予定であり、2026年11月1日の時点で開かれていない。
評価の分かれる点
第1回の日付は、公式の資料でも一致しない。
準備会の年表は12月21日と記すが、英語の理念のページは12月4日と書く。本稿は、日本語の年表と第107回のレポート(1975年12月から50年)に合わせて12月21日とした。
数字は、並べる前に条件を見る必要がある。
年表は初期の参加者を「推定」とし、後の回を「参加者数」「参加者総数」と記す。アフターレポートは日ごとの「入場者数」を万人単位で丸めて載せる。
サークルの数も、「サークル数」と、広さで数える「サークルスペース数」が混在する。
同じ尺度で並べた推移として読むのは危うい。
くらさんの考察
第1回は推定700人、第97回はのべ75万人(4日間)、第107回は1日15万人と、数字は大きく振れる。
条件の違う数字ではあるが、近年は抽選に漏れるサークルが出るほど参加希望が多い点に、この場の求心力が表れていると考えられる。
一方、会場の改修で面積が減ると、そのまま出られるサークルも減る。
コミケの規模は、参加の意思だけでなく、会場という物理的な枠にも左右される。
手塚治虫文化賞が2024年にコミティア実行委員会を特別賞に選んだ点と並べると、漫画の「場」が評価の対象になってきたと見ることもできる。
ジージへの問いかけ
・自分で作った冊子や文集を、人に売ったり配ったりした経験はあるでしょうか。
・1975年に、漫画好きの人が集まる場が少なかったことを、どう思いますか。
・参加希望が多くて落ちる人が出る仕組みは、妥当だと思いますか。
出典
・コミックマーケット準備会「コミックマーケットの理念と実相」https://www.comiket.co.jp/info-a/WhatIs.html
・コミックマーケット準備会「コミックマーケット年表」https://www.comiket.co.jp/archives/Chronology.html
・コミックマーケット準備会「Comic Market's Ideals and Vision」https://www.comiket.co.jp/info-c/IdealsAndVision.html
・コミックマーケット準備会「コミックマーケット106アフターレポート」https://www.comiket.co.jp/info-a/C106/C106AfterReport.html
・コミックマーケット準備会「コミックマーケット107アフターレポート」https://www.comiket.co.jp/info-a/C107/C107AfterReport.html
・コミックマーケット準備会「コミックマーケット108アフターレポート」https://www.comiket.co.jp/info-a/C108/C108AfterReport.html
・コミックマーケット準備会「コミックマーケット109の日程について」https://www.comiket.co.jp/info-a/C109/C109Schedule.html
動画
・ようこそコミックマーケットへ Welcome to COMIC MARKET(【コミケ】コミックマーケット公式チャンネル)https://www.youtube.com/watch?v=uPtvrJ7OIUk
関連動画
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